この記事は「那須が高くなる」という話ではありません。予約サイトの表示金額と、現地で払う金額がずれる——その理由を先に知っておく、という話です。
いつから、いくら
那須町公式の記載です。
本町では令和8年10月1日から宿泊税を導入(課税)します。[1]
税率は宿泊者1人1泊につき、次の6区分です[1]。
| 宿泊料金(1人1泊) | 税額 |
|---|---|
| 1万円未満 | 100円 |
| 1万円以上2万円未満 | 300円 |
| 2万円以上3万円未満 | 500円 |
| 3万円以上5万円未満 | 800円 |
| 5万円以上10万円未満 | 1,500円 |
| 10万円以上 | 3,000円 |
町はこの水準について「税額水準は、宿泊料金の概ね1~3%程度となるよう設定しています。」と説明しています[1]。
★いちばん誤解されそうなところ:基準は「素泊まり料金」
区分を決めるのは、支払総額ではありません。
※宿泊税における宿泊料金とはいわゆる素泊まり料金とそれにかかるサービス料等のことをいい、食事代や消費税等は含みません。[1]
那須には1泊2食付きのプランが多くあります。2食付き2万5千円のプランでも、そのうち食事代が1万円なら、宿泊税の判定は残りの1万5千円で行うという建て付けです。「支払額が2万円台だから500円」と早合点しないほうが安全です。
内訳が予約画面から読み取れないことも多いので、最終的な税額は宿の案内に従うのが実務的な答えになります。町は宿側に対し「領収書等には、宿泊税の名称とその額を記載してください。」と求めているので[1]、領収書で確認できます。
1室いくらのプランはどう計算するか
コテージや一棟貸しでよくある「1室◯◯円」の場合について、町のFAQに明記があります。
「1室料金」の場合は、その金額を宿泊人数で按分し、1人当たりの宿泊料金を算出したうえで、該当する税額区分を適用してください。[1]
人数で割ってから区分に当てはめるので、同じ部屋でも人数が多いほど1人あたりの区分は下がります。那須は一棟貸し・コテージの選択肢が多いエリアなので、ここは効いてきます。
キャンプ・バンガロー・グランピングはどうなるか
那須で泊まる形は宿だけではありません。町のFAQはここにも答えています。
旅館業法は施設を設けて宿泊させるものであるため、移動式テントをお客様が設置する場合等、旅館業に該当しないものであれば、宿泊税の対象にはなりません。 ただし、固定式のテントやバンガロー等事業者が設けた施設で宿泊する場合は旅館業法に該当するため、 宿泊税が課税されます。 なお、バンガローなど、料金が施設や区画ごとに設定されていても、宿泊される人数に応じて支払うことになります。[1]
自分で張るテントは対象外、施設側が用意した常設テント・バンガローは対象、という線引きです。グランピングの多くは後者に当たると読めますが、個々の施設がどちらに該当するかは施設ごとの許可の形によります。本記事では個別施設の該当可否を確認していません。
課税されない人
1. 年齢12歳未満の者 2. 学校教育法第1条に規定する学校(大学を除く。)の修学旅行その他学校行事に参加する児童、生徒、学生および引率者[1]
FAQでは修学旅行の範囲も限定されています。
学校教育法第1条に規定する学校(大学を除く)が行う修学旅行は課税免除です。なお、下見や部活動の合宿は課税免除の対象外です。[1]
入湯税は別にかかります
那須町の入湯税は宿泊税とは別の税で、10月以降も並行して続きます。
1. 宿泊する場合・・・1人1日について150円 2. 日帰りの場合・・・1人1回について50円[2]
入湯税も12歳未満は免除ですが[2]、免除の範囲は完全には同じではありません。入湯税には「共同浴場または一般公衆浴場に入湯する者」「修学旅行中の中学校および高等学校の生徒ならびに林間学校の生徒」という免除があります[2]。宿泊税の免除は年齢と学校行事の2つだけです[1]。
つまり2026年10月以降、那須町の温泉宿に大人1人が1泊すると、入湯税150円+宿泊税100〜3,000円が宿泊料金とは別に発生します。
なお入湯税は「鉱泉浴場を備えた施設であれば、旅館、ホテル等の宿泊施設、料理屋や飲食店のいずれであるとを問わず、また、宿泊者であると否とを問わず、温泉及び鉱泉の入浴客に対し課税されます。」とされており[2]、日帰り入浴でもかかります。
何に使われるか
観光地のトイレ整備、案内看板設置などの観光インフラや、観光振興に関する事業に限定して使われます。[1]
入湯税のほうは、那須町が令和7年度当初予算の充当先を公表しています。観光施設の整備が8,758万円(50.3%)、観光の振興が4,300万円(24.7%)、環境衛生施設の整備が3,030万円(17.4%)、消防施設等の整備が1,300万円(7.5%)、鉱泉源の保護管理施設の整備が20万円(0.1%)、合計17,408万円です[2]。
★那須塩原市に泊まる場合は?
この記事で確認したのは那須町の制度だけです。「那須高原」「那須」と名乗る宿でも、住所が那須塩原市にある場合があります。那須塩原市に宿泊税があるかどうかは、本記事では確認していません。宿の住所がどちらの自治体かで、かかる税が変わる可能性があります。
自治体をまたぐ話はふるさと納税で那須に泊まるにもう少し書きました。
決まるまでの経緯
推測を避けるため、公式に記載されている経緯だけ並べます[1]。
- 令和6年8月:一般社団法人那須町観光協会より「宿泊税の導入に関する要望書」の提出
- 令和6年9月:町役場内に宿泊税導入検討プロジェクトチームの設置
- 令和7年2月:町議会全員協議会で宿泊税概要案を提示
- 令和7年2月〜3月:那須町宿泊税条例(案)パブリックコメント実施
- 令和7年6月:定例議会にて宿泊税条例可決(令和7年6月12日可決)
- 令和7年9月30日:総務大臣の同意
- 令和7年10月1日:施行期日を定める規則を公布
町はこの手続きの根拠も示しています。「※市町村が宿泊税をはじめとした法定外目的税を新設または変更する場合は、あらかじめ総務大臣に協議し、同意を得る必要があります(地方税法第731条第2項)」[1]
確認できなかったこと
- 2026年9月30日以前の宿泊の扱い(那須町公式ページに記載を確認できませんでした)
- 那須塩原市の宿泊税の有無(本記事では調べていません)
- 個々の宿が予約金額に宿泊税を含めるか、現地精算にするか
- 個々のグランピング施設が旅館業法上どの区分に当たるか
よくある質問
2026年9月に泊まる場合は宿泊税がかかりますか?
公式の記載は「令和8年10月1日から宿泊税を導入(課税)します。」です。9月30日までの宿泊についてどう扱われるかは、那須町公式ページに記載を確認できませんでした。宿にご確認ください。
子どもは払いますか?
12歳未満は課税されません。宿泊税・入湯税ともに「年齢12歳未満の者」が課税免除です。
食事付きプランだと税額はどうなりますか?
判定に使う宿泊料金は「いわゆる素泊まり料金とそれにかかるサービス料等」で、食事代と消費税は含みません。内訳は宿の案内でご確認ください。
1棟貸しやコテージは?
「1室料金」を宿泊人数で按分して1人あたりの宿泊料金を出し、その額の区分を適用します。
キャンプでもかかりますか?
自分で設置する移動式テントなど旅館業に該当しないものは対象外です。固定式テントやバンガローなど事業者が設けた施設での宿泊は対象になります。
入湯税はなくなりますか?
なくなるという記載はありません。入湯税は宿泊1人1日150円、日帰り1人1回50円です。
予約時に払いますか、現地で払いますか?
徴収方法は「特別徴収」で、宿泊施設の経営者が宿泊者から徴収して町に納入します。予約金額に含まれるか現地精算かは宿によるため、予約画面の表示をご確認ください。
参考・出典
- 「本町では令和8年10月1日から宿泊税を導入(課税)します。」「宿泊者1人1泊につき、次のとおり。(6区分)」「1万円未満 100円/1万円以上2万円未満 300円/2万円以上3万円未満 500円/3万円以上5万円未満 800円/5万円以上10万円未満 1,500円/10万円以上 3,000円」「※宿泊税における宿泊料金とはいわゆる素泊まり料金とそれにかかるサービス料等のことをいい、食事代や消費税等は含みません。」「1. 年齢12歳未満の者 2. 学校教育法第1条に規定する学校(大学を除く。)の修学旅行その他学校行事に参加する児童、生徒、学生および引率者」「税額は宿泊料金に応じた段階的な定額制(6区分)です。税額水準は、宿泊料金の概ね1~3%程度となるよう設定しています。なお、12歳未満は入湯税と同様に課税対象外です。」「観光地のトイレ整備、案内看板設置などの観光インフラや、観光振興に関する事業に限定して使われます。」「「1室料金」の場合は、その金額を宿泊人数で按分し、1人当たりの宿泊料金を算出したうえで、該当する税額区分を適用してください。」「旅館業法は施設を設けて宿泊させるものであるため、移動式テントをお客様が設置する場合等、旅館業に該当しないものであれば、宿泊税の対象にはなりません。ただし、固定式のテントやバンガロー等事業者が設けた施設で宿泊する場合は旅館業法に該当するため、宿泊税が課税されます。なお、バンガローなど、料金が施設や区画ごとに設定されていても、宿泊される人数に応じて支払うことになります。」「学校教育法第1条に規定する学校(大学を除く)が行う修学旅行は課税免除です。なお、下見や部活動の合宿は課税免除の対象外です。」「領収書等には、宿泊税の名称とその額を記載してください。」「※市町村が宿泊税をはじめとした法定外目的税を新設または変更する場合は、あらかじめ総務大臣に協議し、同意を得る必要があります(地方税法第731条第2項)」「旅館業法の許可を受けて営業を行う那須町内のホテル・旅館、簡易宿所または住宅宿泊事業法の届出をして営む住宅(民泊)に宿泊する宿泊者」「令和7年(2025年)6月12日に可決されました」──那須町宿泊税の導入について|那須町(掲載日 令和8年6月30日/2026-08-14 取得)
- 「1. 宿泊する場合・・・1人1日について150円 2. 日帰りの場合・・・1人1回について50円」「入湯税は、鉱泉浴場でのすべての入湯行為(入浴)に対して課税されます。従って、鉱泉浴場を備えた施設であれば、旅館、ホテル等の宿泊施設、料理屋や飲食店のいずれであるとを問わず、また、宿泊者であると否とを問わず、温泉及び鉱泉の入浴客に対し課税されます。」「1. 年齢12歳未満の者 2. 共同浴場または一般公衆浴場に入湯する者 3. 修学旅行中の中学校および高等学校の生徒ならびに林間学校の生徒」「環境衛生施設の整備 3,030万円 17.4%/鉱泉源の保護管理施設の整備 20万円 0.1%/消防施設等の整備 1,300万円 7.5%/観光の振興 4,300万円 24.7%/観光施設の整備 8,758万円 50.3%/合計 17,408万円 100.0%」──入湯税|那須町(掲載日 令和8年3月25日 更新日 令和8年3月26日/2026-08-14 取得)
最終更新: 2026-08-20