「那須の湯」とひとくくりにできないのが、那須のおもしろさです。
那須十一湯という数え方
那須温泉旅館協同組合の解説によると、那須の温泉は次のように増えてきました。
- 舒明2年(630)、狩野三郎行広が鹿の湯(元湯)を発見
- 明治以前に板室、三斗小屋、大丸、北、弁天、高雄が発見され、これを那須七湯と呼ぶ
- 明治に八幡温泉、大正に旭・飯盛・郭公が発見され、大丸から引湯した新那須温泉を加えて那須十二湯
- 現在は、地理的にやや離れた板室を除いて那須十一湯と呼ぶのが主流
旭・飯盛・郭公には現在、宿や温泉の設備がなく温泉跡地になっているため、鹿の湯・三斗小屋・大丸・北・弁天・高雄・八幡を那須七湯、新那須を加えて那須八湯と呼ぶこともある、とも書かれています。
泉質は湯ごとに違う
同じ組合のページから、湯ごとの泉質を拾うとこうなります。
| 温泉 | 泉質 |
|---|---|
| 那須温泉(鹿の湯) | 硫黄泉 |
| 三斗小屋温泉 | アルカリ性単純泉 |
| 大丸温泉 | 単純泉 |
| 北温泉 | 単純泉 |
| 弁天温泉 | 単純泉(褐色の浮遊物を有する無色無臭) |
| 高雄温泉 | 含硫酸塩硫化水素泉(泉温40度と低い) |
| 八幡温泉 | 単純泉 |
| 新那須温泉 | 単純泉(源泉70度) |
宿を選ぶとき、「那須の温泉」ではなく「どの湯を引いている宿か」を見ると、体験が変わります。
熱い湯と「時間湯」
那須温泉の源泉温度は63〜80度と高く、鹿の湯の浴槽も高めに設定されています。この熱い湯に入るために、鹿の湯には時間湯という入浴法が伝わっています。
浴槽に入る前に、タオルをかけた頭に47度ほどの湯を柄杓で100〜300回かける「かぶり湯」から始まります。その後、41・42・43・44・46・48度(女湯には48度がない)の6種類の浴槽から温度を選び、2〜3分浸かって休む、を繰り返す。一度の入浴で全15分程度、1日4回までが目安とされています。
湯の香りである硫黄臭は那須湯本一帯に漂っており、宿に着く前から「温泉地に来た」と分かります。
歴史のなかの那須温泉
- 温泉発見において日本で32番目に古く、栃木県では塩原・日光を抑えて最古
- 奈良時代の天平10年(738)『駿河国正税帳』に、小野朝臣が湯治のため那須温泉に向かう記述
- 文化14年(1817)の温泉番付「諸国温泉効能鑑」で東方の関脇(東の大関は草津)
よくある質問
那須の温泉の特徴は何ですか?
茶臼岳の山腹に温泉が散在する「温泉群の総称」であることです。鹿の湯は硫黄泉、大丸や北などは単純泉、高雄は含硫酸塩硫化水素泉と、湯ごとに泉質が異なります。
那須十一湯とは何ですか?
鹿の湯を起点に発見された那須の温泉群の呼び方です。明治以前の那須七湯に八幡・旭・飯盛・郭公と新那須を加えて那須十二湯と呼ばれた時期があり、現在は地理的に離れた板室を除いて那須十一湯と呼ぶのが主流とされています。
鹿の湯の「時間湯」とは?
熱い湯に入るための独特の入浴法です。かぶり湯を100〜300回してから、41〜48度の6種類の浴槽で2〜3分浸かって休むを繰り返します。一度に全15分程度、1日4回までが目安とされています。
那須で客室露天風呂付きの宿はありますか?
アイタヨが承認した那須の13軒については、客室露天の記載を確認できた宿が0軒です(「無い」ではなく「アイタヨが裏取りできていない」という意味です)。
参考・出典
- 「那須温泉郷は、今から約1390年前の舒明2年(630)、狩野三郎行広の鹿の湯(元湯ともいう)発見に始まり、明治以前に板室、三斗小屋、大丸、北、弁天、高雄と次々に温泉が発見され、これを那須七湯といい」「現在では、地理的にやや離れた板室を除いて、那須十一湯と呼ぶのがが主流となっています。」──温泉と歴史|那須温泉旅館協同組合(2026-08-13 確認・原文ママ)
- 「那須温泉の源泉温度は63~80度と高く、鹿の湯の浴槽の湯温も高めに設定されています。」「泉質は硫黄泉で、皮膚病、婦人病、胃腸病、疲労回復などに効果があるといわれています。」──同上
- 「かぶり湯の後は、41、42、43、44、46、48度(女湯には48度がない)の6種類の浴槽から好きな温度を選んで入浴します。」「一度の入浴で全15分程度、1日に4回までが目安になります。」──同上
- 「温泉発見において日本で32番目に古く、栃木県では塩原、日光を抑えて最古」──同上
- 「文化14年(1817)に発行された「諸国温泉効能鑑」によると、東方の関脇が那須、西方では城崎で」──同上
最終更新: 2026-08-20