1. 晴れるか — 気象庁の日照時間・降水量の平年値で、月ごとの傾向がはっきり出ます 2. 月が明るくないか — 国立天文台が朔(新月)と望(満月)の日付を毎年公表しています 3. 観望会がやっているか — 八ヶ岳自然文化園は「4月から12月には月に1度」開催しています この3つを重ねると、答えはかなり具体的になります。順に見ていきます。 なお、この土地が星で知られている根拠は自治体自身の言葉です。原村は「原村は星が美しく見える場所としても有名で、「星降る里」とも呼ばれています。」、北杜市は「北杜市は美しい星空を望むことができる地として、「星見里(ほくと)」と表現しています。」。場所ごとの話は八ヶ岳の星空にまとめています。
条件1:晴れるか — 気象庁の平年値
気象庁のアメダス平年値(1991〜2020年)から、原村と野辺山の日照時間と降水量を月別に並べます。星を見に行く判断には、気温よりこの2つが効きます。
| 月 | 原村 日照(h) | 原村 降水(mm) | 野辺山 日照(h) | 野辺山 降水(mm) |
|---|---|---|---|---|
| 1月 | 185.2 | 46.6 | 175.7 | 46.6 |
| 2月 | 183.3 | 57.5 | 167.1 | 49.8 |
| 3月 | 190.2 | 100.3 | 179.8 | 93.4 |
| 4月 | 197.2 | 100.4 | 188.3 | 100.6 |
| 5月 | 211.9 | 110.6 | 186.0 | 124.9 |
| 6月 | 164.9 | 151.1 | 127.7 | 172.6 |
| 7月 | 172.9 | 167.9 | 142.2 | 205.6 |
| 8月 | 204.5 | 112.9 | 160.1 | 166.8 |
| 9月 | 156.3 | 168.7 | 124.1 | 204.1 |
| 10月 | 165.0 | 143.6 | 140.2 | 164.6 |
| 11月 | 177.7 | 68.9 | 167.9 | 62.4 |
| 12月 | 179.1 | 43.1 | 175.5 | 41.0 |
読み取れることは3つです。
① 9月がいちばん悪い。原村は日照156.3時間・降水168.7mmで、どちらも年内で最悪の月です。野辺山も日照124.1時間で最少。秋の長雨が星空にとって最大の敵だと、数字が言っています。
② 8月は、夏の中では例外的に晴れます。原村の8月の日照は204.5時間で、5月(211.9時間)に次ぐ多さ。6月(164.9時間)や7月(172.9時間)より約30〜40時間多いのです。梅雨が明けたあとの8月は、夏の星空にとってちゃんと理由のある時期です。
③ 11月〜1月は乾いて晴れる。原村の12月は降水43.1mm・日照179.1時間、野辺山も41.0mm・175.5時間。年間で最も雨が少ない月です。ただし後述のとおり、この時期の夜は氷点下です。
なお、大泉(山梨県北杜市)のアメダスは年間日照時間2249.2時間で、原村(2188.4時間)・野辺山(1933.7時間)より長い数値です。南麓のほうが日照は長いという傾向は、南麓に泊まる理由の一つになります。
条件2:月 — 国立天文台の朔弦望
星を数多く見たいなら、月が出ていない、または細い夜を選びます。国立天文台が公表している「令和 8年(2026)暦要項 朔弦望」から、朔(新月)と望(満月)の日付を引きます。
| 月 | 朔(新月) | 望(満月) |
|---|---|---|
| 1月 | 1月19日 | 1月3日 |
| 2月 | 2月17日 | 2月2日 |
| 3月 | 3月19日 | 3月3日 |
| 4月 | 4月17日 | 4月2日 |
| 5月 | 5月17日 | 5月2日/5月31日 |
| 6月 | 6月15日 | 6月30日 |
| 7月 | 7月14日 | 7月29日 |
| 8月 | 8月13日 | 8月28日 |
| 9月 | 9月11日 | 9月27日 |
| 10月 | 10月11日 | 10月26日 |
| 11月 | 11月9日 | 11月24日 |
| 12月 | 12月9日 | 12月24日 |
朔の前後数日が、月明かりのない夜です。宿を取るときは、まずこの表で日付を絞ってから空室を探すと効率が違います。
条件3:観望会の開催期間
八ヶ岳自然文化園(原村・標高1300m)の公式説明です。
日が暮れると国内屈指の星空観察スポットである八ヶ岳の夜空がお出迎え。晴れた日には天の川や空いっぱいに広がる満天の星が煌めきます。そのため4月から12月には月に1度、星空観望会を行なっております。
「4月から12月」が公式の期間です。ただし2026年の実際の開催日は、3月から始まっています。公式イベント一覧から日付をそのまま引きます。
2026.03.03 [tue] - 2026.04.25 [sat] - 2026.05.30 [sat] - 2026.06.20 [sat] - 2026.07.18 [sat] - 2026.08.22 [sat] - 2026.09.12 [sat] - 2026.10.17 [sat] - 2026.11.14 [sat] - 2026.12.12 [sat]
10回のうち9回が土曜。週末に組み込みやすい設定です(曜日の話は週末の八ヶ岳にまとめました)。
参加条件も公式に書かれています。
観望会は予約不要、当日の天候を見て直接お越しください。高校生以下の方は保護者同伴でご参加ください。高原の夜は夏でも冷え込みますので服装対策をお忘れなく。19:40頃 受付開始/20:00~ プラネタリウム観覧(約40分)/20:45~ 屋外観望/21:15頃 終了参加費 小中学生 1人500円/高校生以上 1人800円
予約不要で、雨や曇りでもプラネタリウムがある構成です。天気に賭けて行っても、まるまる無駄にはなりません。
なお、同じページには「※9/7の観望会は別スケジュールとなります。」という注記があり、イベント一覧に載っている9月の日付(9月12日)と食い違って見えます。日程は変わり得ます。行く年の公式カレンダーで確認してください。
3つを重ねてみる
2026年の観望会の日付と、その直前の朔(新月)を並べます。
| 観望会 | 直前の朔 | 朔からの日数 |
|---|---|---|
| 3月3日 | 2月17日 | 14日(この日は望=満月) |
| 4月25日 | 4月17日 | 8日 |
| 5月30日 | 5月17日 | 13日(翌31日が望) |
| 6月20日 | 6月15日 | 5日 |
| 7月18日 | 7月14日 | 4日 |
| 8月22日 | 8月13日 | 9日 |
| 9月12日 | 9月11日 | 1日 |
| 10月17日 | 10月11日 | 6日 |
| 11月14日 | 11月9日 | 5日 |
| 12月12日 | 12月9日 | 3日 |
月明かりという一点だけで見るなら、9月12日・12月12日・7月18日あたりが有利という並びになります。ただし9月は日照が最も短く降水が最も多い月です。「月は最高だが、天気の期待値は最低」という組み合わせで、ここが八ヶ岳の悩ましいところです。
数字だけで素直に組むなら、天気の期待値が高い8月と、乾いて晴れる11〜12月が候補になります。8月は月齢がやや進んだ回(8月22日)、12月は朔の3日後(12月12日)です。
服装:夜の気温は季節を1つ先取りする
観望会の公式も「高原の夜は夏でも冷え込みますので服装対策をお忘れなく。」と書いています。気象庁の平年値(1991〜2020年)で、実際の数字を出します。
| 月 | 原村 日最低気温 | 野辺山 日最低気温 |
|---|---|---|
| 7月 | 17.1℃ | 15.0℃ |
| 8月 | 17.6℃ | 15.5℃ |
| 11月 | 0.3℃ | -1.8℃ |
| 12月 | -4.9℃ | -7.9℃ |
| 1月 | -8.1℃ | -12.2℃ |
8月でも夜は15〜17℃台。半袖で1時間屋外に立つのは無理があります。フリースかウインドブレーカーを1枚。
そして11月にはもう氷点下に届きます。「乾いて晴れる冬が狙い目」と書きましたが、その代償がこの数字です。12月の観望会(12月12日)に行くなら、真冬の装備で行ってください。
星の関連イベント
八ヶ岳自然文化園を会場に、星のイベントも開かれています。公式のイベント一覧に掲載されている2026年の日程です。
- 第33回 サマーホリデー in 原村星まつり week:「開催日2026.07.25 [sat] - 2026.08.12 [wed]」
- 第10回八ヶ岳STARGP:「開催日 - 2026.10.17 [sat]」
年によって日程は変わります。行く年の公式告知で必ず確認してください。
昼間の天文施設は通年
夜の空が曇っても、昼にできることがあります。国立天文台 野辺山宇宙電波観測所です。
野辺山宇宙電波観測所は、8:30〜17:00 に自由見学することができます(年末年始を除く)。
入場料は「無料」、所要時間は「約 1 時間」。ただし「気象警報が出ている場合は見学できません」。天気が崩れた日の逃げ道としては、警報が出ていないことが条件です。
なお、アイタヨの八ヶ岳のエリアページはまだ準備中です。犬と泊まれる宿のエリア別ページはこちらにまとめています。
よくある質問
八ヶ岳で星がいちばんきれいに見えるのは何月ですか?
「何月がいちばん」と公式に決めている資料はありません。気象庁の平年値で判断すると、原村・野辺山とも日照が最も短く降水が最も多いのは9月で、逆に降水が最も少ないのは12月(原村43.1mm・野辺山41.0mm)です。夏では8月の日照が原村204.5時間と、6月・7月より30〜40時間長くなっています。
新月の日を狙ったほうがいいですか?
月明かりを避けたいなら、国立天文台が公表する朔(新月)の前後が有利です。2026年の朔は1月19日、2月17日、3月19日、4月17日、5月17日、6月15日、7月14日、8月13日、9月11日、10月11日、11月9日、12月9日です。
観望会はいつやっていますか?
八ヶ岳自然文化園が「4月から12月には月に1度、星空観望会を行なっております」としています。2026年の公式イベント一覧では3月3日から12月12日まで10回、うち9回が土曜です。予約不要で、参加費は小中学生500円・高校生以上800円です。
曇ったらどうなりますか?
観望会は「19:40頃 受付開始/20:00~ プラネタリウム観覧(約40分)/20:45~ 屋外観望」という構成で、プラネタリウムが含まれています。公式は「当日の天候を見て直接お越しください」と案内しています。
夏でも上着は必要ですか?
必要です。気象庁の平年値で8月の日最低気温は原村17.6℃、野辺山15.5℃。観望会の公式も「高原の夜は夏でも冷え込みますので服装対策をお忘れなく。」と書いています。
参考・出典
- 平年値(1991〜2020年)原村 月別 日照時間/降水量:1月185.2h/46.6mm、2月183.3h/57.5mm、3月190.2h/100.3mm、4月197.2h/100.4mm、5月211.9h/110.6mm、6月164.9h/151.1mm、7月172.9h/167.9mm、8月204.5h/112.9mm、9月156.3h/168.7mm、10月165.0h/143.6mm、11月177.7h/68.9mm、12月179.1h/43.1mm、年2188.4h/1271.5mm。日最低気温 7月17.1℃・8月17.6℃・11月0.3℃・12月-4.9℃・1月-8.1℃──気象庁 原村 平年値(2026-08-14 確認)
- 平年値(1991〜2020年)野辺山 月別 日照時間/降水量:1月175.7h/46.6mm、2月167.1h/49.8mm、3月179.8h/93.4mm、4月188.3h/100.6mm、5月186.0h/124.9mm、6月127.7h/172.6mm、7月142.2h/205.6mm、8月160.1h/166.8mm、9月124.1h/204.1mm、10月140.2h/164.6mm、11月167.9h/62.4mm、12月175.5h/41.0mm、年1933.7h/1432.4mm。日最低気温 7月15.0℃・8月15.5℃・11月-1.8℃・12月-7.9℃・1月-12.2℃──気象庁 野辺山 平年値(2026-08-14 確認)
- 平年値(1991〜2020年)大泉 年間日照時間2249.2時間──気象庁 大泉 平年値(2026-08-14 確認)
- 令和 8年(2026)暦要項 朔弦望。朔:1月19日/2月17日/3月19日/4月17日/5月17日/6月15日/7月14日/8月13日/9月11日/10月11日/11月9日/12月9日。望:1月3日/2月2日/3月3日/4月2日/5月2日/5月31日/6月30日/7月29日/8月28日/9月27日/10月26日/11月24日/12月24日──国立天文台暦計算室 令和 8年(2026)暦要項 朔弦望(2026-08-14 確認)
- 「観望会は予約不要、当日の天候を見て直接お越しください。」「高校生以下の方は保護者同伴でご参加ください。」「高原の夜は夏でも冷え込みますので服装対策をお忘れなく。」「19:40頃 受付開始 20:00~ プラネタリウム観覧(約40分) 20:45~ 屋外観望 21:15頃 終了」「※9/7の観望会は別スケジュールとなります。」「参加費 小中学生 1人500円 高校生以上 1人800円」──八ヶ岳自然文化園 星空観望会 2026(2026-08-14 確認)
- 「星空観望会 2026/開催日 - 2026.03.03 [tue] - 2026.04.25 [sat] - 2026.05.30 [sat] - 2026.06.20 [sat] - 2026.07.18 [sat] - 2026.08.22 [sat] - 2026.09.12 [sat] - 2026.10.17 [sat] - 2026.11.14 [sat] - 2026.12.12 [sat]」「第33回 サマーホリデー in 原村星まつり week 開催日2026.07.25 [sat] - 2026.08.12 [wed]」「第10回八ヶ岳STARGP 開催決定! 開催日 - 2026.10.17 [sat]」──八ヶ岳自然文化園 イベント(2026-08-14 確認)
- 「日が暮れると国内屈指の星空観察スポットである八ヶ岳の夜空がお出迎え。晴れた日には天の川や空いっぱいに広がる満天の星が煌めきます。そのため4月から12月には月に1度、星空観望会を行なっております。」「標高1300m、信州原村の八ケ岳中央高原に位置し」──八ヶ岳自然文化園 施設案内(2026-08-14 確認)
- 「原村は星が美しく見える場所としても有名で、「星降る里」とも呼ばれています。街明かりが少ないため夜はとても暗くなり、特にペンションビレッジのある標高1300m以上のエリアは、空気が澄んでいて絶好の星空スポット。」──原村 標高1300mの”星降る里”(2026-08-14 確認)
- 「北杜市は美しい星空を望むことができる地として、「星見里(ほくと)」と表現しています。」(更新日:2018年3月30日)──北杜市 月見里県星見里市(山梨県北杜市)について(2026-08-14 確認)
- 「野辺山宇宙電波観測所は、8:30〜17:00 に自由見学することができます(年末年始を除く)。」「入場料 無料」「所要時間 約 1 時間」「❌ 気象警報が出ている場合は見学できません」──国立天文台 野辺山宇宙電波観測所 見学(2026-08-14 確認)
最終更新: 2026-08-20