これは熱海旅行でいちばん引っかかりやすい落とし穴です。「タッチして入ったのに、降りる駅で出られない」という事態を避けるために、先に整理しておきます。
大原則:ICカードはエリアをまたげない
JR東日本の公式案内はこうです。
Suica(ICカード、モバイルSuica、Apple PayのSuica)を在来線の乗車券として利用する場合、ご利用可能エリア内完結でのご利用となります。各エリア間をまたがってご利用いただくことはできません。異なるエリアをまたがってご利用の場合は、あらかじめきっぷをお求めください。[1]
公式FAQでは、まさに熱海の隣の区間が例に挙がっています。
Suicaは、TOICAエリアでもご利用いただけますが、小田原(Suicaエリア)から沼津(TOICAエリア)のようにまたがってご利用いただくことはできません。[2]
JR東海側も同じことを書いています。「定期券区間内のご利用を除き、エリア外へは乗りこせませんので、エリア内とエリア外をまたがるご乗車の際は、あらかじめ全乗車区間のきっぷをお買い求めください。」[3]
なぜ熱海が境界なのか
JR東海のTOICA運送約款には、こう明記されています。
(注)東海道本線中国府津・熱海間、身延線中鰍沢口・西富士宮間及び高山本線中美濃太田・飛騨古川間は利用エリア外です。[4]
つまり国府津〜熱海はTOICAのエリア外。熱海より東(首都圏側)はSuica、熱海より西はTOICA、という切り替わり点が熱海駅です。
JR東海の「自動改札機のご利用方法」でも、熱海駅は国府津・甲府・米原と並ぶ境界駅として名指しされています。
熱海駅・国府津駅・甲府駅・米原駅をご利用の方 TOICA利用エリア内をご乗車された場合、出場時は「TOICA専用改札機」にタッチしてください。[5]
同じ駅の中に、Suica用の改札機とTOICA専用の改札機が併存しているということです。西からTOICAエリアを通って熱海に着いた人は、専用改札機を使う必要があります。
具体的にどうすればいいか
きっぷの受け取りにも境界がある
JR東日本の熱海駅ページには、こんな注意書きがあります。
「えきねっと」でお申込みいただいたきっぷは、JR東日本の指定席券売機、みどりの窓口と、JR東海の指定席券売機(一部取扱い対象外のものがございます)でのお取扱いとなります。JR東海の窓口ではお受取りいただけませんので、ご注意ください。[7]
境界駅は、会社が変わるということ。券売機と窓口で扱いが違う点まで含めて、熱海駅は「乗り換え駅」以上に注意が必要な駅です。
チャージと支払い
宿や飲食店では、規模の大きい施設ほどカード決済に対応しています。一方、小さな店では現金のみのこともあります。ICカードへのチャージは現金のみという場面もあるため、現金とカードの併用が安心です。
なお熱海市内のバスのIC対応状況については、本記事では各事業者公式での確認が取れていません。バスに乗る予定があるなら、現金(小銭)を用意しておくのが確実です。バスの詳細は熱海の交通ガイドへ。
よくある質問
Suicaで熱海から沼津へ行けますか?
行けません。SuicaエリアとTOICAエリアをまたぐIC乗車はできず、あらかじめきっぷを買う必要があります。
なぜ熱海で切り替わるのですか?
熱海がJR東日本とJR東海の境界だからです。JR東海の約款に「東海道本線中国府津・熱海間…は利用エリア外です」と明記されています。
熱海駅に着いたらどの改札を通ればいいですか?
西(TOICAエリア)から在来線で来た場合は「TOICA専用改札機」にタッチするようJR東海が案内しています。東京方面からSuicaで来た場合は通常の在来線改札です。
PASMOでも同じですか?
JR東日本の案内は「各エリア間をまたがってご利用いただくことはできません」とICカード全般について書かれています。PASMOを名指しした熱海駅の記載は確認できませんでしたが、エリアをまたげない点は同じと考えて、きっぷを買うのが安全です。
新幹線改札はSuicaで通れますか?
JR東日本の熱海駅情報では、Suicaの新幹線改札機の欄は「-」となっています。所定のきっぷ・サービスをご利用ください。
参考・出典
- JR東日本公式「Suicaのご利用可能エリア」。「Suica(ICカード、モバイルSuica、Apple PayのSuica)を在来線の乗車券として利用する場合、ご利用可能エリア内完結でのご利用となります。各エリア間をまたがってご利用いただくことはできません。異なるエリアをまたがってご利用の場合は、あらかじめきっぷをお求めください。」
- JR東日本公式FAQ(公開 2023/11/29・更新 2025/03/05)。「Suicaは、TOICAエリアでもご利用いただけますが、小田原(Suicaエリア)から沼津(TOICAエリア)のようにまたがってご利用いただくことはできません。」 /あわせてJR東日本「東海エリア」ページ「エリアまたがりの移動|TOICAエリア × manacaエリア ×」
- JR東海公式「TOICAご利用可能エリア」。「定期券区間内のご利用を除き、エリア外へは乗りこせませんので、エリア内とエリア外をまたがるご乗車の際は、あらかじめ全乗車区間のきっぷをお買い求めください。」
- 東海旅客鉄道株式会社ICカード乗車券運送約款(PDF)。「(注)東海道本線中国府津・熱海間、身延線中鰍沢口・西富士宮間及び高山本線中美濃太田・飛騨古川間は利用エリア外です。」「利用エリアは別表第1に定める範囲とし、発着、経由とも利用エリアを越えてTOICA乗車券を使用して乗車することはできません。」(第7条)
- JR東海公式「TOICA 自動改札機のご利用方法」。「熱海駅・国府津駅・甲府駅・米原駅をご利用の方 TOICA利用エリア内をご乗車された場合、出場時は「TOICA専用改札機」にタッチしてください。」
- JR東日本公式「熱海駅 駅構内情報」。「改札機の入出場 在来線改札機 ○ 新幹線改札機 -」
- JR東日本公式「熱海駅」。「「えきねっと」でお申込みいただいたきっぷは、JR東日本の指定席券売機、みどりの窓口と、JR東海の指定席券売機(一部取扱い対象外のものがございます)でのお取扱いとなります。JR東海の窓口ではお受取りいただけませんので、ご注意ください。」
最終更新: 2026-08-20