見た目に派手さのない湯です。だからこそ、何が起きているのかを知っておくと楽しめます。
泉質
熱海市公式は、市内全体として塩化物泉が多くを占めると記しています[1]。
より具体的な内訳は、熱海温泉ホテル旅館協同組合が公表しています。
■塩化物温泉(67.2%) / ■硫酸塩温泉(22.5%) / ■単純温泉(10.3%)[3]
ただし母数の注記が付いています。「※表中の%は平成元年以降、温泉分析実施204井(伊豆山温泉分含まず)を参考としました。」[3] つまり、平成元年以降に分析した204本の井戸を対象にした割合であり、現在の全源泉の構成比とは限りません。
湯の見た目については、市公式がはっきり書いています。
熱海温泉は無色透明で匂いも香りもありません。ただ、保温効果の高さや美肌感は十分に体感いただくことができます。[1]
「にごり湯や硫黄の匂いが温泉らしさ」と思っていると、拍子抜けするかもしれません。熱海は塩化物泉の保温性で勝負する温泉地です(温泉の泉質の基礎/温泉用語の基礎)。
エリアで違う
同じ熱海市内でも、源泉の性格が変わります[1]。
- 網代温泉:「源泉の平均温度(約78度)、平均湧出量(毎分約207リットル)ともに熱海市内でトップの実力を誇る。」
- 伊豆山温泉(走り湯):「全国的にも珍しい横穴式の源泉で、約70度の源泉が毎分約180リットル湧出している。」熱海市観光協会は「日本三大古泉の一つです」と紹介しています[4]。
- 伊豆湯河原温泉:「熱海市全体の中で多くを占める塩化物泉ではなく、単純泉が比較的多く、気軽に楽しめる。」
宿選びのときは「熱海」でまとめず、どの地区かを見てください。
歴史
熱海市公式によれば、開湯伝承は西暦749年。「西暦749年、今からおよそ1260年前に箱根権現の万巻上人が、海中に湧く温泉を熱海の中腹に導き漁民および魚介類を救おうと薬師如来に祈祷し」[1]。
徳川家康との関わりも記録されています。「徳川家康は1604年、二人の息子を連れ、湯治のため熱海を訪れた記録が残っており、その後、江戸城に熱海の温泉を運ばせました。」[1]
市街地の大湯間欠泉は「世界の三大間欠泉(他に、アメリカ・イエローストーン公園内オールドフェイスフル、アイスランド・グレートガイザー)の一つに数えられていました」[2]。現在は「おおむね5分毎に人工的に湯を噴出させ」て往時を再現しています。
★なお「日本三大温泉」という位置づけは、熱海市・熱海市観光協会・熱海温泉ホテル旅館協同組合のいずれの公式サイトにも記載を確認できませんでした。公式に確認できるのは「世界の三大間欠泉(大湯)」[2]と「日本三大古泉(走り湯)」[4]です。
掲示を読むと、その湯のことが分かる
温泉は温泉法で定義されており、環境省の説明では「地中からゆう出する温水、鉱水及び水蒸気その他のガス…で、表1の温度又は物質を有するものと定義されています」[5]。
そして温泉を公共の浴用に供する施設には、掲示の義務があります。加水・加温・循環・消毒を行っている場合は、その旨と理由を掲示しなければなりません。脱衣所の掲示の読み方は温泉掲示の読み方にまとめました。
よくある質問
熱海の温泉はどんなお湯ですか?
熱海市公式は「熱海温泉は無色透明で匂いも香りもありません。ただ、保温効果の高さや美肌感は十分に体感いただくことができます。」と説明しています。泉質は塩化物泉が中心です。
源泉はいくつありますか?
熱海市公式は「源泉総数が500を超える温泉場」と記載しています。
湧出量はどれくらいですか?
熱海市公式には「総湧出量毎分約20,000リットルに迫ります」、および「毎分17,085リットル(平成23年2月)」という2つの記載があります。
熱海は日本三大温泉ですか?
公式にその記載は確認できませんでした。確認できるのは大湯が「世界の三大間欠泉」の一つとされていたことと、走り湯が「日本三大古泉の一つ」であることです。
にごり湯はありますか?
熱海市公式は熱海温泉を無色透明と説明しています。個々の宿の湯については、脱衣所の掲示や宿の案内でご確認ください。
参考・出典
- 熱海市公式「熱海の温泉」(更新日:令和7年1月28日)。「42度以上の高温泉がその約9割を占め、平均温度は約63度と、源泉総数が500を超える温泉場としては、全国屈指の高温泉リゾートです。」「総湧出量毎分約20,000リットルに迫ります!」「熱海温泉は無色透明で匂いも香りもありません。ただ、保温効果の高さや美肌感は十分に体感いただくことができます。」「源泉の平均温度(約78度)、平均湧出量(毎分約207リットル)ともに熱海市内でトップの実力を誇る。」(網代温泉)「全国的にも珍しい横穴式の源泉で、約70度の源泉が毎分約180リットル湧出している。」(走り湯)「熱海市全体の中で多くを占める塩化物泉ではなく、単純泉が比較的多く、気軽に楽しめる。」(伊豆湯河原温泉)「西暦749年、今からおよそ1260年前に箱根権現の万巻上人が、海中に湧く温泉を熱海の中腹に導き漁民および魚介類を救おうと薬師如来に祈祷し」「徳川家康は1604年、二人の息子を連れ、湯治のため熱海を訪れた記録が残っており、その後、江戸城に熱海の温泉を運ばせました。」
- 熱海市公式「熱海七湯めぐり」(更新日:令和8年3月26日)。「日本屈指の温泉郷である熱海は、源泉の数も多く、その総湧出量は毎分17,085リットル(平成23年2月)を誇っています。」「熱海の銀座通りの山側、湯前神社のそばにある『大湯』は、世界の三大間欠泉(他に、アメリカ・イエローストーン公園内オールドフェイスフル、アイスランド・グレートガイザー)の一つに数えられていました。」 /現状の再現運転について熱海市観光協会公式「大湯間歇泉」「現在はおおむね5分毎に人工的に湯を噴出させ、往年の大湯噴出の様子を再現しています。」
- 熱海温泉ホテル旅館協同組合公式「熱海の泉質」。「■塩化物温泉(67.2%) / ■硫酸塩温泉(22.5%) / ■単純温泉(10.3%)」「※表中の%は平成元年以降、温泉分析実施204井(伊豆山温泉分含まず)を参考としました。」※ページ上に更新日の表記なし。
- 熱海市観光協会公式「走り湯」。「相模の海に臨む「走り湯」は、日本でも珍しい横穴式源泉で、日本三大古泉の一つです。」※ページ上に更新日の表記なし。
- 環境省「温泉に関する基礎知識」。「温泉は、昭和23年に制定された「温泉法」により、地中からゆう出する温水、鉱水及び水蒸気その他のガス(炭化水素を主成分とする天然ガスを除く。)で、表1の温度又は物質を有するものと定義されています。」
最終更新: 2026-08-20